茉莉花ー1990年VOL.1 夏号

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会いたい夏の日ーお盆考


  • リレー聞法 「浄土の客をご招待」本願寺司教 法円寺住職 霊山勝海
  • 茉莉花の部屋 お盆ーみんなが”ふるさと”に集う日
  • 表紙絵 南有田昭徳
  • 4コマ漫画「アンクルせんぞう」かわぐち きょうじ 

UNCLEせんぞう

1990年 VOL.1 夏
4コマ漫画「UNCLEせんぞう」誕生

テーマ:浄土の客をご招待ー先祖のつぶやきから
せんぞ(先祖)から、せんぞう爺さんで、アンクルせんぞうが誕生しました。 
シナリオ:佐々木浄珠
 お盆がくると、大方のものが故郷に帰り、仏壇に手を合わせ墓参りをする、大変結構なことである・・・。
中には故郷帰省と偽り、こっそりと、どこかの「おなご」と温泉旅行、金がある奴は外国旅行としゃれ込む、「このばちあたりめが!」といいたくなる。それでもご先祖さまは、「ええが、ええが」とおっしゃっておられる。寛大なご先祖さまである。
何故そんなに寛大なのか尋ねてみた。そしたら、ご先祖さまは、こういいなはった。「そりゃあ、年に一度だけでも、墓に来て手を合わせてくれるのはうれしいよぉ、墓にも参らんと、やれレジャーじゃ、ショッピングじゃと遊びまわっとる姿見ると、さみしゅうなるよ、しかし、そんな表面的なことよりも、もっと悲しいことがあるんよ・・・」「・・・・・?」「ほんま、耳元で大きな声で叫びとうなるよ!・・・・」「じゃけえ、墓の下でじっとしとられんから、もっとも、じっとしとるもんでもないが、毎日毎日、息子や、娘や、孫や、縁あった人らに耳元で、おまえのそのわしら先祖から受け継いだ生命とは、一体どう思うとるんなら・・・」「たぶん、大切に生きとるよ、健康に気を付け長生きしょうとおもうとるよ。と、言うじゃろうが、よう考えてみい!いま幸せとおもっておっても、ひとつ間違えりゃあ不幸のどん底に落ちる。なんぼ健康に気をつけておっても、容赦なく病魔はおそってくるんで!。おまえたちの生きとるこの娑婆は、つぎの瞬間さえも保証されていないんで・・・」「そうおもやぁ、いま何をせにゃあならんかおのずからわかろうがぁ」
そうです!ご先祖さまは、必至になって叫ばれているのです。年に一度のお盆の墓参り、ただ供養のためで参るのでなく、その先祖の声を聞くのです。でも、わたしたちの耳には耳垢がいっぱいで、とても聞きにくくなっています。耳垢をとるには、お寺に参って仏法を聞くほかありません。
ご先祖さまは、こう、つぶやいておられるのです。
「わしの心からの声をきくには、仏法のご縁に会うほかなぁんで。そのあと墓にきてみいや、ほんとうの親に遇うことができるけえ」お墓参りは先祖の願いとの出会い、わたしのいのちとの出会い。多くの生命の中に生かされ、護られていることを知らされた時、自然に両手を合わせ『ナンマンダブツ』ありがとう!ともうさずにはおれなくなるのです。

季刊誌「茉莉花」
家族で楽しめます。

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